競輪には、女子選手のみで競い合う「ガールズ競輪」が存在します。
ガールズ競輪は、2012年7月からスタートした男子競輪とは全く異なるスポーツ。もちろん、ルールや予想方法も違ってきます。
競輪は、男性だけのスポーツではないんですね。
今回は、華やかなレースが見られる「ガールズ競輪」について、競輪初心者の方に分かりやすく解説していきます。
ガールズ競輪とは?
ガールズ競輪とは2012年7月からスタートし、男子競輪とは異なるルールや使用機材を使用する競技のことを指します。
ガールズ競輪は元々、1949年から15年間「女子競輪」として開催されていました。
しかし、アマチュアのエキシビションとして2008年から開催され、2012年8月に開催されたロンドンオリンピック開催直前の7月から「GIRL’S KEIRIN」として再スタートしました。
ガールズ競輪には現在119名の選手が登録されている
歴代最高賞金獲得額は約3,000万円
ガールズ競輪の歴代最高賞金獲得額は、2015年に小林優香選手が獲得した29,767,000円です。
歴代賞金女王をまとめました。
- 2012年:小林莉子(東京) 8,460,000円
- 2013年:中村由香里(東京) 19,489,000円
- 2014年:梶田舞(栃木) 22,454,900円
- 2015年:小林優香(福岡) 29,767,000円
- 2016年:梶田舞(栃木) 24,425,000円
- 2017年:石井寛子(東京) 22,631,000円
- 2018年:児玉碧衣(福岡) 27,184,000円
- 2019年:児玉碧衣(福岡)28,403,000円
2018年、2019年は児玉碧衣選手が、2年連続で賞金女王に輝いています。ちなみに、2018年1年間の平均取得賞金額は、約640万円。賞金女王たちの実力がいかに高いか分かりますね。
ガールズ競輪特別レース
ガールズ競輪では、成績上位者などによる特別レースを実施しています。
- ガールズ競輪コレクション:年間3回(3月5月8月)
- ガールズ競輪フェスティバル:7月のサマーフェスティバルの中で実施
- ガールズグランプリ:年末の競輪グランプリシリーズの中で実施
なかでも年末の「ガールズグランプリ」では、ガールズ競輪の頂点が決定するので見応え満載ですよ。
ガールズ競輪のルールは?
ここでは、男子競輪と異なるガールズ競輪のルールをご紹介します。
①:国際ルールを取り入れた判定基準
ガールズ競輪のルールには、これまでの競輪競走のルールにオリンピックなどの国際ルールを取り入れた判定基準が採用されています。
これは、2012年のロンドンオリンピックで「女子競輪」が正式種目になり、競技として海外選手とも戦っていける力を養うため。
例えば、先頭員の助走開始位置や誘導退避までに横に並ぶと失格になるという国際ルールが取り入れられています。つまり、横のラインの動きに対してきわめて厳格な判定がされているわけですね。
国際ルールにならっているガールズ競輪のルールは、男子では失格にならないような行為でも失格になる場合があります。
よりシンプルでスピードが重視された個人戦が、ガールズ競輪と言えますね。
②:ガールズ用の自転車は男子に比べて軽い
ガールズたちが使用する自転車(レーサー)は、男子に比べて総重量が軽くカラフルです。具体的には、
- モノコックのカーボンフレーム
- 前輪:スポークホイール
- 後輪:ディスクホイール
以上を装着しています。
また、タイヤはディスクおよびバトンホイール向けとスポークホイール向けでサイズが若干異なります。
ハンドルステムは専用部品となりますが、ハンドルバーとサドルは、専用部品または男子向けの部品との選択が可能。
それ以外の部品は、すべて男子向けの部品と共用となっています。
一方の男子用は、しなやかさと強さがバランス良く融合された鉄(クロモリ鋼など)が使われています。
そのため、ガールズ用のレーサーは男子用と比べて軽くなっています。
③:先頭員の助走開始の位置が男子と異なる
ガールズ競輪の先頭員は、選手のスタートラインの後方(約半周手前)から助走を始めます。
そして、先頭員がスタートライン到達と同時に、号砲が鳴りスタート。
一方の男子の競走では、先頭員は選手の前方からスタートします。
ガールズ競輪では、先頭員は徐々に加速し、後方を走る選手たちも速度を上げていくので最初から見応え抜群です。
④:競走距離が短い
ガールズ競輪は、約1500m~1666mと男子競輪と比べて競走距離が短いです。
競走距離が短いことに伴い、バンクの長さと周回数も少なくなっています。具体的には
- 333mバンク=5周
- 400mバンク=4周
- 500mバンク=3周
以上のように、通常の競走距離約2,000m、バンクの長さ400mと周回数5周に比べると短くなっているので選手の強さがレースにより反映されます。
⑤:先頭員の誘導退避は固定される
先頭員は、規定されたエリアに到達した時点で退避します。具体的には、以下の通りです。
- 333mバンク、400mバンク=残り1周半のバックストレッチ
- 500mバンク=残り1周のホームストレッチ
先頭員が退避すると残り1周半を知らせる「ジャン」が鳴り始め、選手だけのスピード勝負が始まります。
向き不向きは?
ガールズ競輪を予想する際、どのような人が予想に向いていると言えるのでしょうか?
向いている人:競輪初心者
ガールズ競輪の予想は、競輪初心者に向いていると言えます。
ガールズ競輪は、男子の9人とは異なり7人のガールズによって争われる7車立て。
レースの上位3人を順番通りに当てる「三連単」の組み合わせが、男子とは違っています。
男子競輪のような9人で争われる9車立ての組み合わせは「504通り」。それに対して、ガールズ競輪の7車立ては「210通り」と圧倒的に少ないので、その分的中率も高くなります。
そのため、予想初心者でも当てやすいと言えるでしょう。
予想の際は一番強い選手を見極める
どの選手に予想するか迷ったら、まずは男子競輪の一番強いラインを見つけるのと同じように、一番強い選手を見つけましょう。
しかし、女子選手の級班は全員「L1」と男子競輪とは違い階級がすべて同じになっています。そこで、勝率で比べてみましょう。
ガールズ競輪はラインを組まずに個々で走るため、先頭誘導員が外れたら全員一斉にヨーイドンでスタートを切ります。
そのため、単純に強い選手から順番にゴールをすると考えられます。
三連単の車券を購入する場合は、強い選手から3人にすると当たりやすいでしょう。
実際、2019年12月12日に西武園競輪場で行われた「テレ玉杯」の第6レースを見てみましょう。
勝率の高い高橋梨香選手(7)、内村舞織選手(1)が、1位と2位に入っていますね。
ガールズ競輪の予想では競走得点が高い選手を選ぶのもおすすめ
選手の強さが判断できない人は、出走表にある競走得点が高い選手を選んでみるのもおすすめです。
競輪選手には、一人ひとりレース結果に応じて競走得点が与えられています。
そして、競走得点が高い選手が強い、低い選手が弱いと考えてOKです。
実際に、2019年12月14日に西武園競輪場で行われた「テレ玉杯」の第5レースを見てみましょう。
競走得点が50点を超えている、坂口聖香選手(4)と藤田まりあ選手(2)が、1位と2位に入っていますね。
競走得点は、予想する際の指標として重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
競輪予想初心者の方は、ぜひこの方法を試してみてくださいね。
向いていない人:男子競輪でラインを利用した予想をしている
ガールズ競輪は男子競輪とは違い、チームを組んで闘う「ライン」をあからさまに組むことが禁止されています。
そのため、ラインを利用した予想方法を使うことができません。
男子競輪では、ラインは予想の軸と言えるほど重要なポジションにあります。
しかしガールズ競輪の場合は、個人勝負となるためライン重視での予想が不可能です。
結果、普段からライン予想をしている人には不向きと言えるでしょう。
まとめ:スピード重視の迫力溢れるレース展開を見せるガールズ競輪
今回は、競輪初心者でも分かる「ガールズ競輪」のルールや予想の際の向き不向きについて解説しました。
〜「ガールズ競輪」まとめ〜
- 女子のみで開かれるスピード勝負の競技
- 国際ルールを取り入れた判定基準
- ガールズ用の自転車(レーサー)は男子に比べて軽い
- 男子では失格にならないような行為が失格になるケースもある
- ガールズ競輪予想に向いているのは競輪初心者、向いていないのはラインを利用した予想をしている人
- 予想の際は勝率・競走得点が高い選手を選ぼう
厳密な国際ルールの元で行われ、スピード重視のレース展開を見せるガールズ競輪。
そのため、実力が発揮されやすいスポーツ要素が強い競技と言えるでしょう。
ぜひ、「ガールズ競輪」の迫力あるスピード勝負の世界を予想してみてくださいね!
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